出演者プロフィール -第10回定期 メサイア-

 
◆渡辺 祐介(わたなべ ゆうすけ)<指揮> 音楽監督
 

渡辺祐介東京藝術大学音楽学部卒業、同大学院修了。多田羅迪夫氏に師事。オランダのデン・ハーグ王立音楽院にて、ペーター・コーイ、マイケル・チャンス、ジル・フェルドマン、リタ・ダムスの諸氏のもとで研鑽を積む。2002年よりバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとなり、多数の演奏会、録音、海外公演等に参加。2020年3月のヨーロッパツアーでは《ヨハネ受難曲》のピラト役を務め、特にロンドン公演においては「エネルギーを緩慢なく漸増させ、物語を最高潮へと持ち上げていく役割を果たしきったのだ」と英ガーディアン紙に評される。若い世代のピリオド楽器のスペシャリストが結集したオーケストラ「オルケストル・アヴァン=ギャルド」では2019年のオーケストラ創設以来音楽監督を務め、同オケを率いて2020年11月に横浜みなとみらいホール主催による、ベートーヴェン《交響曲第9番》 、2021年8月に東京藝術大学主催による、ベートーヴェンの劇付随音楽《エグモント》全曲、2022年に再び東京藝大にてベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》を宝生流能楽と共に演奏するなど、意欲的な活動が高く評価されている。現在マヨラ・カナームス東京音楽監督、東京ムジーククライス常任指揮者、麻布OB+合唱団及び東京クローバークラブ指揮者、オルケストル・アヴァン=ギャルド音楽監督。

 

◆中江 早希(なかえ さき)<ソプラノ>
 

中江早希

北海道出身。北海道教育大学岩見沢校芸術課程音楽コース声楽専攻卒業。東京藝術大学修士課程音楽研究科声楽専攻独唱科、同大学院博士後期課程を修了。在学時ハンス・アイスラーの歌曲を研究し大学院アカンサス賞、三菱地所賞受賞。第14回日本モーツァルト音楽コンクール声楽部門第2位。第78回日本音楽コンクールオペラ部門にて入選。第12回中田喜直記念コンクールにて大賞を受賞。第25回ハイメス音楽コンクールにて声楽部門第1位。第3回ジュリアード音楽院コンクール第1位。旭川市新人音楽賞、第27回道銀芸術文化奨励賞受賞。国内外数々のオーケストラや指揮者と共演。レパートリーは宗教音楽からオペラ、現代音楽などのソリストを務めるだけではなく、ドラマやゲーム音楽など多くの作品にヴォーカルとして携わる。モーツァルトのコンサートアリアを歌った鈴木秀美指揮オーケストラリベラ・クラシカの自身初のライブ録音のCDが特選盤に選出されている。バッハ・コレギウム・ジャパン声楽メンバー。また、北海道上川郡鷹栖町ふるさと応援大使としても活動をしていて、音楽を通じて音楽や地元である鷹栖町の魅力を発信し続けている。洗足学園音楽大学非常勤講師。

 

◆湯川亜也子(ゆかわ あやこ)<アルト>
 

湯川亜也子

国立音楽大学大学院博士後期課程修了。フォーレ歌曲研究により博士号(音楽)取得。2015年より渡仏。パリ地方音楽院声楽科およびバロックオペラ科修了。令和2年度文化庁新進芸術家海外研修員。日仏声楽コンクール、日本音楽コンクール、トゥールーズ国際フランス歌曲コンクール、マコン国際声楽コンクール等、国内外の声楽コンクールにて入選、上位入賞。レパートリーは古楽から現代音楽まで多岐に亘る。フランスではレ・ゼポぺ、ル・コンセール・スピリチュエル、ル・バルコン等のアンサンブル団体でソリスト及び声楽メンバーとして演奏会、録音に多数携わる他、仏国営ラジオ放送、フランス国内外の主要音楽祭等でソリストを務める。日本ではバッハ・コレギウム・ジャパン、読売交響楽団、紀尾井室内楽管弦楽団等と共演。またリサイタルを東京(公益社団法人日本演奏連盟主催/2014、公益財団法人日本製鉄文化財団主催 紀尾井「明日への扉」シリーズ/2022)、ミンスク(2017)、パリ(2018)の各地で開催。これまでに声楽を秋山理恵、近藤冨佐子、D.ランプレヒト、V.ギヨリ、I.プルナール、古楽コレペティートルをS.フュジェ、音楽学を藤本一子、礒山雅の各氏に師事。

 

◆中嶋 克彦(なかしま かつひこ)<テノール>
 

中嶋克彦

長崎県大村市出身。福岡教育大学音楽科卒業。東京藝術大学大学院修士課程オペラ科修了。同大学院博士課程オペラ科修了、博士号取得。2012年より文化庁在外派遣研修員としてドイツに留学、マインツ音楽大学のバロック声楽コースにて研鑽を積んだ。ルネッサンスから現代まで幅広いレパートリーを持ち、なかでもJ・S・バッハやヘンデルなど、バロックの作品において多く活躍している。バッハ・コレギウム・ジャパン、ラ・フォンテヴェルデ、コレギウム・ムジカーレ、パーセル・プロジェクト等のメンバーとして国内外におけるコンサートや録音に多数出演している。またオラトリオのソリストとしても定評があり、ヘンデル《メサイア》やベートーヴェン《第九》、ハイドン《天地創造》、メンデルスゾーン《エリヤ》等、国内の主要オーケストラとの共演も多い。オペラにおいては、第50回東京藝大大学院オペラ定期公演モーツァルト《コシ・ファン・トゥッテ》のフェルランド役でデビュー。以降、新国立劇場や東京室内歌劇場、サントリーホールオペラアカデミー公演など、オペラの舞台においても活躍している。国立音楽大学非常勤講師。

 

氷見 健一郎(ひみ けんいちろう)<バス>
 

氷見健一郎

富山県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院音楽研究科修士課程オペラ専攻修了。新国立劇場オペラ研修所修了。研修中にANAスカラシップ奨学生として、イタリア、ミラノスカラ座アカデミー、ドイツ、バイエルン州立歌劇場付属オペラ研修所(ミュンヘン)にて海外研修を受ける。新国立劇場公演《魔笛》にて、ザラストロ役で本キャストデビュー。バスソリストとして、バッハ《マニフィカートニ長調》、《マタイ受難曲》、モーツァルト《戴冠ミサ》、《ハ短調ミサ》、《レクイエム》、ハイドンの《天地創造》、《パウケンミサ》、ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》、《交響曲第9番》、フォーレ《レクイエム》に出演。オペラではモーツァルト《フィガロの結婚》バルトロ、《ドン・ジョヴァンニ》レポレッロ、騎士長、《コジ・ファン・トゥッテ》ドン・アルフォンソ、ロッシーニ《セヴィリアの理髪師》バジリオ、ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》タイトルロール、プッチーニ《ラ・ボエーム》コッリーネ、《ジャンニ・スキッキ》シモーネ、チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》ザレツキー、ヴォルフ=フェラーリ《イル・カンピエッロ》アンゾレートなどを演じる。公演では、井上道義、鈴木秀美、園田隆一郎、高関健、リッカルド・ムーティの各氏と共演。第17回松方ホール音楽賞奨励賞受賞。バッハ・コレギウム・ジャパン声楽メンバー。

 

◆majora canamus tokyo(マヨラ・カナームス東京)
 

ラテン語「majora canamus =大いなる調べを歌おう」の名を冠し、2012年9月、東京を本拠地に設立された合唱団。音楽監督には、ひたむきな楽曲研究に裏打ちされた豊潤な表現力と、熱情ほとばしる先導力を併せ持ち、声楽家としてまた指揮者として幅広い支持を集める渡辺祐介を招聘。プロフェッショナルオーケストラであるオルケストル・アヴァン=ギャルドと共に演奏活動を行う。2014年1月には、結成記念演奏会と題し、東京・渋谷にてG.F.ヘンデル≪メサイア≫(ダブリン初演版)を披露。会場を埋め尽くす満員の聴衆にも恵まれ、鮮烈なデビューを飾った。以後、A.ヴィヴァルディ≪グローリア≫、A.カルダーラ≪悲しみのミサ曲≫、W.A.モーツァルト≪パストラル・ミサ≫、J.ハイドン≪スターバト・マーテル≫など、バロック・古典派の珠玉の宗教曲を次々と演奏。2018年2月には、紀尾井ホールに於いて、モーツァルト未完の遺作≪レクイエム≫を初めて取り上げた。団体名の由来ともなるヘンデル≪メサイア≫は、様々なヴァージョンで3年に1度定期的に演奏し、世界中で脈々と歌い繋がれる大いなる作品のその神髄に迫る事を最大の目標に活動する。

 

◆L’orchestre d’avant-garde(オルケストル・アヴァン=ギャルド)
 

「マヨラ・カナームス東京」と共演を重ねてきたオーケストラが発展的に組織された新世代のオリジナル楽器オーケストラ。日本の古楽界の第一線で活躍する若手実力派を擁し、2019年にベートーヴェンの交響曲・協奏曲の全曲演奏シリーズを開始。また2020年のみなとみらいホール主催「革新の第九」でも「モダンとバロックどちらの様式にも順応するフレッシュな奏者が揃ったオケは十分な厚みがあり、機動力は抜群だ。そして渡辺祐介の指揮はフレーズを言い澱むことを是とせず、剛毅に全曲を邁進させてゆく」(さっぽろ劇場ジャーナル・平岡拓也氏)、「『交響曲第9番《合唱付》』も最新の校訂楽譜(ヘンレ社・新ベートーヴェン全集=ベアーテ・アンゲリカ・クラウス校訂=2020年)に拠りながら決して快速一辺倒ではなく、緩急を自在に動かし、人肌の温もりや身体運動能力まで取り込んだヒューマンなタッチの音楽に仕上げた」(池田卓夫氏)など絶賛を博す。藝大奏楽堂での音楽劇《エグモント》(2021年)、《ミサ・ソレムニス》公演(八反田弘・武田孝史両教授の東京藝術大学退任演奏会、2022年)の能舞とのコラボレーションも極めて高い評価を得ており、今後の活躍が非常に期待されている。

categories

archives

recent posts