【楽曲紹介-4】A.カルダーラ ≪悲しみのミサ曲≫ Missa Dolorosa
■ヴィヴァルディと同郷で同世代、おまけに同じアントニオの名を持つカルダーラには、比較的馴染みが薄いかもしれませんが、当時はウィーンの宮廷副学長として名をはせた最も高名な作曲家の一人でありました。またオペラ・宗教曲はじめ2千、3千ともいわれる作品を遺した多作家としても知られています。
■この≪悲しみのミサ曲≫は、全体を通して、曲名とおりの底知れぬ哀しみを帯びながらも、展開が素早くドラマティック!。細かく区切られた全17曲を、人間が有する溢れ出る感情のごとく、起伏に富んだ曲調と厚みのある和声で、ソロ・合唱・器楽が自在に織り重なりそして見事に紡いでまいります。
■筋金入りのバロックファンなら、「こんな素晴らしい作品があったのか!」と思わず膝を叩かずにはいられない、堂々たるスケール感をもつ隠れた傑作と言えるでしょう。実演に接するこの貴重な機会をどうぞお聴き逃しなきよう、会場にてお待ち申し上げます。